兵庫県議会議員 石川憲幸(いしかわのりゆき)の公式サイト
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選挙にでるまでの経緯

男の決断-運命が変わる時 石川憲幸 (三)

 だが、いきなり何んの準備もできぬまま、こういった形で兵庫県議会議員候補に夫がかつぎ出されるのがイヤであった。みつるさん自身も平成九年、丹波初の女性PTA会長に選ばれ、組織運営の難しさはイヤというほど経験している。

「そうか、お前が反対なら仕方ない。この話、断ろう」一度はそう決心した。しかし、反面、例え落選したとしても、何もしなかったことの後悔の方が、挑戦してダメだったことを悔やむより大きい。それなら、男としてやってみるべきではないか-その迷いが残るのも事実であった。生まれて今日まで、こんなにもズシリと重い夜は初めてであった。悶々として夜が明けた。

午前7時、藤原議長に電話しようとしたら、向こうから電話がかかってきた。
「決心、つきましたか?」まだ迷っていた。
「時間がありません。早く決心して下さい」
「もうちょっとだけ、母に相談する時間だけ待って下さい」

 八時前に母・洋子さんに会いに行った。洋子さんはにべもなく反対した。「お前一人の問題やない。家族、親戚一族全体に迷惑をかける。そんなバカなことやめとくれ」

 なかばケンカ別れして母のもとを去った。間もなく十時になろうとしていた。議員から「自宅に来てくれ」と促された。腹は決まった。
党の幹部、町会議長、めまぐるしく色々な人たちに引き合わされた。藤原議長の八重子夫人が同行して紹介してくれた。こういうことでもない限り、接点のない人たちばかりであった。
「この人があとを受けてくれました。よろしくお願いします」藤原夫人が頭を下げるや(誰や?この人)(何でこんな者に?)といった視線や態度が返ってくる。(しまった)と思った。母や妻が反対したのはこういうことだったのか。冷や汗がにじみ出た。朝食抜きで家を飛び出して、昼食も夕食も取っていなかった。いや、食事はノドを通らなかった。時間のすきまを見つけて、憲幸さんが日ごろから尊敬を寄せる円応教主(日本宗教連盟理事長)の深田充啓さんに電話を入れた。
「そうか、立候補するのか。相当厳しい選挙やぞ。やめた方が良くはないか?」

その一言でスッと気が楽になった。端なから困難を承知の戦い。ならば、単純にどこまで切り込めるか、自分の実力を試せばよい。

 


 

『そうゆう人たち-秘められた人生活性化へのヒント-』
著者-三条杜夫
フリーアナウンサー・放送作家・ノンフィクション作家活性化講師
発行所-SSP出版  姫路市飾磨区英賀西町1丁目55
TEL:0792-36-3631 FAX:0792-37-0700
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