大平正芳氏から鄧小平氏への助言
2012年12月13日
12月13日、
鄧小平氏は生涯のうち大平正芳氏と4回会った。
2回目の二人だけの会談で大平氏は、
戦後の日本経済の発展状況を紹介した。
彼は、戦後日本経済の発展を、
経済復興期、基礎固めの時期、高度成長期、多様化の時期の4つに分けた。
大平氏は言った。
「経済が遅れていた時期には、チャンスをつかんで、重点的に突破し、
限りある資金と物資をもっとも重要な領域に使い、
重点産業に重点的支援を行い、
傾斜方式の発展モデルを実施すべきだ」
大平氏はまた、日本経済が飛躍的に発展した経験を
「経済を中心とし、チャンスをつかんで、重点的に突破した」と総括し、
鄧小平氏は大いに啓発された。
中国が「改革・開放」後、経済建設を中心とする戦略的方針を提起したのは、
大平氏の助言によるものだ。
大平氏はまた、日本の所得倍増について述べた。
「国民にはっきりとした目標を示してこそ、
民衆を立ち上がらせ、力を合わせて経済を発展させることができる」
鄧小平氏がその後打ち出して世界を驚かせた
「国の経済を4倍増する」という構想は、
大平氏の啓発によるものだと、
鄧小平氏が後に中曽根首相に言っている。
丹波同友会12月例会 徳島文理大学教授 八幡和郎氏講演より