ウィーン市内バイオマス発電施設を視察
3月27日、
ウィーン市の
ジンメリングバイオマス発電所を視察
オーストリアは、面積が83、900㎢で、
日本の約20%、北海道と同じくらいの面積。
森林率は47%(日本は67%)で
私有林が全森林の70%(日本は58%)とほぼ同等だが、
私有林の所有規模は20ha未満が全体の33%
(日本は66%)と一人当たりの森林所有規模は大きい。
特徴的なのは、日本の丸太生産量が1970年以降、
急激に減少したのに比べて、
オーストリアの丸太生産量は、
1000万m3から1800万m3へと増加している。
これは、1970年代に世界的に石油高騰が
続いたため、ヨーロッパ全体で
有限資源である石油に替わる
再生可能エネルギーの比率を高める国策が
進められたことと、
オーストリアでは世界的にも高水準な
伐採作業システムが構築されている事による。
その結果、建築用材等本来の木材需要が
安定的に確保されると共に、
エネルギー源としての
燃料用木材需要も確保され、
バイオマス発電に大きく寄与している。
一方、オーストリアにおいても1970年代に
原子力発電設備が建設されたが、
1978年11月に国民投票が実施され、
一度も稼働されないまま、
原子力利用は放棄され、
それ以後は、水力、風力、太陽光発電で
国全体の61%をカバーし、
バイオマス発電は全体の6%を占めるに至った。
またオーストリアでは
2003年からエコ電力法が施行され、
バイオマス発電買い取り価格は、
市場流通価格4¢/1kwhに対して、
9、5〜9、7¢/1kwh(13年間固定)に設定され、
更なる拡大を促進している。
本日訪問したジンメリングバイオマス発電所を含め、
ウィーン電力会社には、
現在3基のバイオマス発電所が稼働しており、
このジンメリングは最大の発電設備を誇り、
稼働開始は2006年10月、
建設費は5200万€(約70億円)、
発電量は24、5MW(24500kw)、
ウィーンの41000世帯に電力を供給し、
17000世帯に熱供給を行なっている。
木材消費量は約100万m3/年、
これにより毎年144、000tの
二酸化炭素排出を抑制している。
※残念ながら発電所内は撮影禁止だった為、
外部景観と会議室のみの
写真添付になりました。
自民党議員団林業振興議員連盟
オーストリア調査その1