グラーツ市内の木材伐採現場を視察

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3月28日、
グラーツ市のマイヤーメルンホフ社を訪問
オーストリアの国土面積は837万ha、
そのうち森林面積は
400万ha(47、6%)を占めている。
そして国内全体で約10億m3以上の木材が
成長し続けており、
1秒間に1m3の増加量となっている。
またオーストリアにおける木材資源量は
337m3/haで、スウェーデンの121m3/haや
フィンランドの90m3/haを凌ぐ効率性を
保っており、
木材加工資源やエネルギー源としての活用が
国策として重要な意味を持っている。
しかし国土の67パーセントがアルプスという
急峻な山岳地帯であり、
効率的で安価な伐採搬出システムが
研究され、実践されている。
その1つが路網整備である。
オーストリアの林道密度は45m/haと、
日本(14m/ha)の3倍以上であり、
その規格も幅員4m、耐荷重40tfと、
大型トレーラーが縦横無尽に活動できるよう
完璧な林道が整備されている。
今一つが高性能な林業機械を駆使した
効率的な伐採搬出システムである。
オーストリアの代表的な樹種
ドイツトウヒ(スプルース)と
日本の代表的な樹種杉を例にとると、
ドイツトウヒの丸太価格が1万円/m3で
あるにもかかわらず
最新式のタワーヤーダや農業用トラクターを
使った集材方法だと伐出コストは
25〜28€/m3(3400円〜3800円/m3)となり、
運送費を差し引いても約5000円近い立木価格が
山林所有者の手元に残る計算になる。
一方日本では、杉の丸太価格が12000円と
高額にもかかわらず、
伐出コストがオーストリアの2倍もかかる上、
木材市場制度の影響等で丸太の流通価格も
余計に積算され、
立木価格は2000円にも届いていない。
さて、効率的な伐出搬送システムを理解する目的で、
本日午前中、ウィーンから
南西にクルマで2時間半走った
グラーツ市に本社がある
マイヤー・メルンホフ社の
タワーヤーダ製造工場と
社有林での伐出現場を視察した。
同社は。約32、400haの山林を所有する
オーストリア最大の森林所有者で、
育苗から伐採までの森林管理を行っている。
また製材工場(300万m3でヨーロッパ第3位)や
製紙工場(ヨーロッパ段ボール市場の25%シェア)等、
川上から川下まで幅広い林業・木材事業を
展開している。
本日訪問したマイヤーメルンホフ・
フォレストテクニック社は、
海抜430m〜2、200mに位置し、
平均斜度約30度の社有林から
安全で生産性の高い集材機械の
開発に取り組み、1963年に世界初の
タワーヤーダの開発に成功した。
以来半世紀に渡って改良を続け、
厳格で信頼性の高い
ドイツの第三者製品安全試験・認証機関
テュフ・ラインランド(TUV)の認証を受けている。
日本担当のロシェック・ヨハネス顧問によると、
標準的な伐出現場で、約6000万円のタワーヤーダと
4人の作業員で、140m3/1日の実績が上がるという。
因みに日本での標準的な伐出量は、
10〜15m3/1日だから約10倍の能力となる。
現在日本には約13台のマイヤー・メルンホフ製のタワーヤーダが輸入されているが、
十分な操作員教育が伴っていない為、
全ての機械が稼働しているわけではないと
述べていた。
自民党議員団林業振興議員連盟
オーストリア調査その2