「旅愁」を作詞した犬童球渓と柏原高校

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5月18日、
ふけゆく秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとり悩む
恋しやふるさと なつかし父母
夢路にたどるは さとの家路
ふけゆく秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとり悩む

窓うつ嵐に 夢もやぶれ
はるけきかなたに 心まよう
恋しやふるさと なつかし父母
思いに浮かぶは 杜(もり)のこずえ
窓うつ嵐に 夢もやぶれ
はるけきかなたに 心まよう

この有名な『旅愁』の作詞者は、犬童球渓。
明治12年、熊本県人吉市生まれで、
明治38年4月、
東京音楽学校(現東京芸術大学)を卒業して
最初に赴任した学校が
旧制柏原中学校(後の柏原高校)、
兵庫県で初めての
旧制中学校音楽科目設置だった。
ところが前年明治37年から勃発した
日露戦争の影響で、『音楽は軟弱』という
血気にはやる学生のボイコットに遭い、
果ては全校ストライキにまでエスカレートし、
その年の12月、『神経衰弱兼右肺尖浸潤』という
診断書を付けて、辞職願を出す事となる。
次の赴任地、新潟県立新潟高等女学校で
作詞したのが、上記の『旅愁』だった。
犬童球渓にとって、
柏原町は失意の赴任地だっただろうが
故郷の熊本県人吉市に似た土地には
愛着があったようで、
後に柏原中校歌の作曲も引き受けている。

そんな歴史も抱えて、
本日県立柏原高校『柏陵同窓会本部総会』、
総勢190人近い出席者を仰いで、
今年も盛大に開催されました。
112歳を数える校庭の楠木も健在です。

追伸、私もマンドリン演奏で
『旅愁』を応援してます。
googleで『マンドリン旅愁』と検索すると
YouTubeの最初に私たちの演奏が出てきます。
https://m.youtube.com/watch?v=9Pk7VKYzbGc