クラブの選択 その2

第12弾!
クラブの選択 その2

 さて、アマチュアは柔らかいクラブのほうが良く飛ぶと説明しましたが、どれくらいの柔らかさが良いのか自分でわかる方法を考えてみましょう。

 例えば、クラブを振るとシャフトがしなります。構えてから(アドレス)後ろにクラブを引いていって(バックスイング)一番ひねりきったところ(トップ)から切り替えして(ダウンスイング)ボールを打ちます(インパクト)。そしてボールを打った方向にクラブを押し出して(フォロースルー)背中まで振り切ります(フィニッシュ)。この一連のスイングの中で、トップからダウンスイングにかけてしなったクラブが再び真っ直ぐなろうと復元した瞬間にボールに当たるのが一番良いタイミングなのはお解かりいただけると思います。「今はいいタイミングで打てた」と感じる時はこの振り切った時としなりが戻った瞬間とがぴったり合っている時なんですね。そのクラブが一度しなって元に戻るまでの時間を分単位で数値化したのを「振動数」と言います。クラブを選ぶ場合、この振動数を目安にするのが、一番いいと思います。

 今はかなりのゴルフショップに「振動数」を計る機械(計測器)がありますので、一度今使っているクラブ、これからほしいと思っているクラブの「振動数」を計測されたらどうでしょう。クラブのグリップを固定し、ヘッド部分を軽く叩くと上下に振れますよね。1分間に何回振れたかを赤外線カウンターなんかで数えるんです。これは、同じ硬さのシャフトで、同じ重たさのヘッドなら強く叩いても、弱く叩いても振動は同じなんですね。因みに私が使っているドライバーは275CPM(カウントパーセコンド)つまり、1分間に275回振動しているクラブということなんです。私の振るスピードにはこの「振動数」のドライバーが1番ぴったりなんです。皆さんも一度自分に1番合っている「振動数」を計測して、クラブ選びをされたら、闇雲にあれこれ迷わなくても、理想的な1本に簡単にめぐり合う事ができるでしょう。

 ここで注意点をひとつ。
「振動数」はシャフトの長さ、ヘッドの重さによって変わってきます。例えばシャフトが長くなれば、ゆっくりしなりますから「振動数」は小さくなります。またヘッドが重たくなってもゆっくりしなりますから「振動数」は同じく小さくなります。また自分が1番楽に振るヘッドスピードによっても適正な「振動数」は変わります。当然ですよね、早く振る人が小さい「振動数」のクラブ(柔らかいクラブ)を振ったら、しなりが戻ってくる前にクラブがボールを打っちゃいますから、スライスしてしまいます。

 そこで先ず、自分のヘッドスピードを計りましょう。ヘッドスピードを計測する機械もゴルフショップなら必ず持っています。私で普通に振って42~45m/秒です。このヘッドスピードに合う「振動数」はずばり275CPMです。他のヘッドスピードと「振動数」の関係も書いておきましょう。

ヘッドスピード     推定適合振動数
34~38m/秒      265CPM
38~42m/秒      270CPM
42~46m/秒      275CPM
46~48m/秒      280CPM
50以上          285以上

 次に自分が好きなシャフトの長さを決めましょう。短いクラブがシャープに振れて好き、という人もいれば、長い46インチのクラブでドーンと打ちたいという人もいますよね。私の場合は44.5インチが1番好きですので、その長さのクラブでヘッドスピードを計ると42m/秒、すると275CPMが最適、となるとゴルフショップで44.5インチの長さのクラブの中で、「振動数」が275CPMのドライバーを何点か見せてもらって、後はヘッドの大きさや形、色、なんかで選ぶ、こういう段取りになりますので、かなり絞れますよね。

 さて、「振動数」にとってもう一つ大事な要素、それはシャフトの硬さなんです。
シャフトが硬いとしなりが早く戻りますので、「振動数」は大きい、逆に柔らかいとゆっくりしなるので、「振動数」は小さい。そこで、あなたが振れるヘッドスピードは大体決まっています。よほど筋力トレーニングをしてムキムキにならない限りそんなに早く振れるものではありません。するとあなたが無理なく振れるヘッドスピードに合った「振動数」は上記の表の
通りで決定です。すると例えば、硬いシャフトのクラブを選ぼうとしてあなた自身の適正な「振動数」にクラブを改造しようとするとどうするか、そう重たいヘッドをつけなければ「振動数」は小さくなってくれない。無理に「振動数」を合わせにいったおかげで、めちゃくちゃ重たいクラブができあがって、クラブに振られてしまうことになる、もしくはギンギンに力をいれて振りまくらないと打てないことになる、アマチュアがプロのクラブを振る時はこんな感じでしょうか。

 逆に柔らかいシャフトのクラブを選んだ場合、「振動数」を合わしにいくと、もうお解かりのように、ヘッドが軽ければ軽いほど「振動数」は大きくなるので、結果的に軽いヘッドで充分自分に最適な「振動数」が確保できるということなんです。これが「第11弾」で書いた柔らかいクラブで楽に飛ばせる秘密なんですね。

 因みに私のドライバーの総重量は305g。結構軽いんですけど、軽い分だけ早く振れるし、疲れないから2~3日の試合なんかでも同じリズムで振り続けられるし、アマチュアにとっては軽い方が有難いですよね。

 ちょっと理屈っぽくなりましたが、一度今お使いのクラブの「振動数」と自分に最適な「振動数」を是非チェックしてみてください。

~ 結論  女房もクラブも相性次第  ~