メンタル編:その1

第7弾!

 4、5、6弾と技術について長々と書いてきましたが、いよいよメンタル編へと進んでいきましょう。

メンタル編 その1

メンタル編:その1

 私は以前から「ゴルフは考え方でどんどん先に進めるスポーツ」と言ってきました。特別強靭な体力がいるわけでもないし、優秀なチームメートを集める必要もないし、ただクラブを振って18ホール(約7KM)歩ける能力さえあれば、年齢や性別に関係なく楽しくプレーできるのです。そしてすばらしいプレーを連発しなくてもミスさえしなければ、かなりの好スコアでまわれます。
なぜなら、日本のゴルフコースの平均距離は約6200ヤード、たとえば77のスコアでまわろうとして18ホール全部を2パットでプレーするとして合計36パット、差し引き41打で6200ヤードをミスなしでまわっていけばいいわけで、6200ヤード割る41打で151.2ヤード、つまり150ヤード正確にボールを運ぶ能力があれば、充分70台でまわれることになるわけです。

 ところが現実には、「飛ばしたい、乗せたい、入れたい」と欲望が先に頭をよぎってしまって、「ミスをしない」という大事な要素がおろそかになり、結果としてO.Bや池ぽちゃ、バンカーや林の中で大たたき・・・なんてことになって、70台はおろか3桁近くまで叩いて「もうゴルフなんて金輪際やめや」なんてたかが遊びなのに悲惨な結末にもなりかねません。

 「ボールにもまともにあたらへんのに、理屈ばっかりでうまいこといくか。」おっしゃることはよくわかりますが、なぜうまくいかないのか、その原因のほとんどはさきほど書いた「飛ばそう、乗せよう、入れよう」の欲という精神状態なんですね。そこをしっかり押さえておかないと、いくら練習してもコースをまわっても結果は同じなんです。

 よく練習の虫といわれる、練習場の常連さんがいらっしゃいますがなかなか成果が上がらない方が多いですよね。練習した分だけ上手になるんだったら、コースに出た回数だけうまくなるんだったら、この世の中で暇と金のあるゴルファーはみんなシングルプレーヤーになっていますよね。

ところがそう簡単にはいかない。それは何故か?ゴルフはメンタルなスポーツだからなんですね。逆にいうと、そう練習しなくても心の持ちようでスコアなんてどうにでもなる、それくらいの思いでプレーされるほうが気楽でいいのではないでしょうか。

 「諦念」(ていねん)という言葉があります。一所懸命頑張ってみてもうまくいかない、もうどうでもいいや・・と思って開き直りでやってみると今までうまくいかなかったことが不思議なくらいスムーズに解決していく・・・。こんな経験がおありでしょう。

 自分をよく見てもらおうとあの手この手でいいところをアピールしても一向に反応が悪い、もう頭にきて、「今まで遠慮していましたが、もうどうでもいいです。一言だけ言わせてもらって帰ります。」なんて居直って自分の腹の中を洗いざらいぶちまけて帰ってしまった。そしたら後日連絡が入って、もう一度会いたい、もう一度あの時の話を詳しく聞きたい・・・なんて急転直下、とんとん拍子に話が進んだり。

 ゴルフなどスポーツの世界でも一緒ですよね。周りの目を気にしていたり、相手を必要以上に意識すると自分の実力なんて半分も出せません。ぼろぼろの成績になって、もうどうでもいいや・・なんて思うと急にのびのびして良いプレーが続いたりするんです。
池越えで、直接グリーンを狙うのをやめて池の手前にボールを置いておこうとする(レイアップ)時、そのショットはすばらしく良いショットなんですねえ、腹が立つほど。
これが「諦念」なんですね。
いろんな欲や望んでいる結果を一度横に置いて、芯に当てるとか、ゆっくり大きく振るとか、しなければならない手段を再確認してプレーをしてみると、おのずから結果は正直に出てくるのではないでしょうか。

 ~ 結論 「諦念」ショットで欲を断ち切れ ~