EMECS11鈴木基之センター長の基調講演

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8月23日、
EMECS11全体セッションinサンクトペテルブルク。
国際エメックスセンター会長鈴木基之氏の講演要旨。

・1950年から2010年までの60年間で、
人口は2.4倍に増えたが、
経済活動(GDP)は50倍、
その為には、肥料、農薬、家畜、糞尿処理、
生活排水、薬剤、固形ゴミ処理等、
その全てに多くの水が使われて、汚染された。
・その中でも特にプラスチックと窒素に注目したい。

・プラスチックの製造量は同じ60年間で32倍の
年間27000万トン、その内約800万トン/年が、
世界の海(特に閉鎖性海域)に流れ込んでいる。
・プラスチックは400年以上海底に存在している。
・現在世界中で1年間に約1億トンの漁獲量が
カウントされているが、プラスチックによる
何らかの影響は避けられない。

・二つ目の窒素、主に肥料に使用されているが、
同じくこの60年間で、生産量は11倍。
・窒素が海に流れ込むと光合成を促進し、
クロロフィル増加により、ハイポキシア
(低酸素状態)を引き起こす。
・窒素を含む肥料散布により、約10%は農地に
染み込むが、90%は海へと流れ込むし、
農産物や家畜を食した排泄物を通して、
更なる窒素が海へと注ぎ込まれる。

・世界には、黒海やバルト海、チェサピーク湾や
瀬戸内海等21の閉鎖性海域が存在するが、
人類がこのままの経済活動を持続するとなると、
近い将来大きな環境リスクを背負う事になる。

・国際エメックスセンターは、今年で13年目、
里海(人の手が加わる事で、海洋生産物の
収穫が上昇する地域)の環境保全を目指して、
各国の関係者と協力しながら、これからも
活発な研究を重ねていくので、応援してください。